サロマの牡蠣は古代から現代まで、冬のご馳走の恵みを伝え続ける~ 漁獲・調理・ワインとのマリアージュ~
国道238号線、網走に向かって、常呂の街を出て常呂大橋をわたると同時に十字路にさしかかり、そこを右折すると、左側の法面に貝塚が見えてきます、朝日トコロ貝塚です。
朝日トコロ貝塚は、縄文時代中期後半(今から4200年前)の遺跡で、常呂川河口から1.5キロ上流の常呂段丘にあり、標高約10mから20mの緩斜面(かんしゃめん)に、長さ約110m、幅約60mの範囲に広がっている、牡蠣貝が主体の貝塚である。
当貝塚が形成された頃、トコロ湖は満々たる湖水が広がっていたので、カキ貝などが標高10数mの台地に残されたのはと考えられる
上記貝塚から、牡蠣のほか・ホタテ、サケ・ボラ、トド・アシカ、カモ・サギ、ヒグマ・イヌなどが出土していて、当時の人々の暮らしは、漁撈や狩猟で成り立っていて、地産地消で新鮮な牡蠣を食していたと考えられる。
上記貝塚から、牡蠣のほか・ホタテ、サケ・ボラ、トド・アシカ、カモ・サギ、ヒグマ・イヌなどが出土していて、当時の人々の暮らしは、漁撈や狩猟で成り立っていて、地産地消で新鮮な牡蠣を食していたと考えられる。


海面上昇期なので、現常呂川はトコロ湖の湖底に沈んでいる
その後、時代は経過し、[擦文・オホーツク文化(約1000~1200年前)]に、オホーツク海側に新たな砂丘が発達したことによりサロマ湾は閉塞し、サロマ湖が誕生し、トコロ湖は常呂川のから運ばれた土砂により埋め立てられ湿原化したのである
Ⅱ、「森は海の恋人」・舞根湾での取り組み
私の手元に、畠山重篤さんの著作「牡蠣とトランク」があります

その記述に
『『ジビエ料理の秘密』
カトリーヌは学者の口調に戻っていた。
「森からは13もの支流がロワール川に注いでいます。昔、ナントが栄えたのは、その森で捕れる野獣の毛皮の集散地だったからです」
野生の動物が育つ森ー私はそのことでピンとくるものがあった。
小さいとき父につれられ、キジ、ヤマドリ、ウサギなどの猟に行った。野鳥やウサギなどがいるのは決まって実のなる落葉広葉樹の森であった。その後、国策で森が常緑針葉樹の杉山に変わると、なんにもいなくなったからである。
フランス料理のなかで最も珍重されるのはジビエ(野鳥、野獣)料理だという。フランス人はジビエ料理を食べたいがために落葉広葉樹の森を保護しているのではないか。そこは腐葉土層も深い。大雨が降ってもスポンジ状の腐葉土に染みこみ地下水を涵養する。結果として、川は清流となり川魚も増える。河口域の海では牡蠣、オマールエビ、ヒラメなどの海産物も富みに捕れるのだ。
沿岸で暮らす漁民は、海のことだけ考えていては駄目なのではないか。
フランスの旅は、海にしか向いていなかった漁民の眼を森に向けさせることになったのです
『山に翻った大漁旗』
私は熊谷武雄の生家を訪ね、孫にあたる熊谷龍子さんに会った。龍子さんも森の家を守りながら歌を詠んで暮らしていた。私は漁民による植林活動を始めるにあたり、協力を乞うた。
龍子さんを海に招き、牡蠣を食べてもらった。そして海から手長野を眺望した。龍子さんは初めて海から山を望んだのである。それは森の歌人の魂を揺り動かし、やがて一首の歌が生まれた。
森は海を海は森を恋ながら
悠久よりの愛紡ぎゆく
この歌との出会いから、貝から真珠がこぼれるように、「森は海の恋人」という言葉が生まれたのである。
1989年9月、室根の山頂に時ならぬ大漁旗が翻った。第一回森は海の恋人植樹祭である。
大漁旗は漁民の印で、本来は舟を飾るものである。だが今日は大きな山が舟であった。
大漁旗の下、慣れない手つきで漁民たちが木を植える。「山に翻った大漁旗」という見出しと共に、翌日の新聞でこのときの写真が全国版の紙面を飾った。
牡蠣漁師による植林活動「森は海の恋人」運動はこうして始まり、毎年、植樹祭が開催されるようになった。』

著者 畠山重篤さんのプロフィール
畠山 重篤(はたけやま しげあつ、1943年10月7日[1] - 2025年4月3日)は、日本の養殖漁業家、エッセイスト、京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授。「牡蠣の森を慕う会(現「特定非営利活動法人森は海の恋人」)」代表
今年4月にお亡くなりになりました、ご冥福を祈っています
(有) 水山養殖場
https://www.instagram.com/insta.mizuyama.oyster.farm/
NPO法人 森は海の恋人
https://mori-umi.org/
Ⅲ、「森は海の恋人 川は仲人」・常呂遺跡エリヤの常呂漁協での取り組み
常呂漁業協同組合のHPの抜粋

『昭和54年頃から、今度は常呂川の上流80キロ、置戸町にあるサケ・マスふ化場の湧水が減少し始めました。原因は、周辺の森林伐採でした。
常呂漁協は、昭和36年頃から町内の山林を買い植林を始めていました。当初の目的は資産形成のためでしたが、この頃から、植林の目的は常呂川の環境保全へと切り替わっていきました。
昭和63年、置戸町のふ化場隣接地30ヘクタールを購入。平成元年に白樺5,400本、平成2年にアカエゾマツ18,000本を植樹。
平成3年には、20ヘクタールを追加購入し、平成4年には白樺51,600本を植樹しました。また、常呂町内でもサロマ湖畔に「魚付き林」として11ヘクタール、常呂川沿岸の土地95ヘクタールを取得。平成6年には分収造林事業にも参画しています。
常呂漁協のこれまでの植林面積は、367ヘクタール、77万本にも及んでいます。植樹にあたっては北海道大学東三郎教授(当時)が技術指導を行い、漁協女性部が先頭に立ちました。
常呂は現在、日本有数のホタテ養殖・漁獲で知られています、また牡蠣や鮭なの漁獲も盛んです、古代の人々が貝類を主要な食料としていた歴史は、この地域が持つ海洋資源の豊かさ、そして海とともに生きる文化的な土壌と深く結びついています、現代の漁業関係者は、先人たちと同様に持続可能な漁業サイクルを大切にしています。』
(参考)


Ⅳ、牡蠣の美味にこだわって
■再び、「牡蠣とトランク」のページに戻る
『『ボルドー地方の牡蠣の食べ方』
「ハーイ、今夜の夕食はボルドー地方の牡蠣の食べ方の勉強しましょうね」
陽気なママンの顔で、カトリーヌが半ダースずつハーフシェル(上側の殻を取り、下側の殻のついた形で提供された牡蠣)を注文した
「お皿に氷を敷いてはいけません。味を楽しむには常温が大切です」
牡蠣を見ると、身がうすっぺらで貧弱に見える。
「身が悪いね。こんなのうちの浜ではジャミッコといって捨てますね」
と、口にしたとたん、ママンの顔がみるみる変わった。
「何を言いますか。フランス人は白く太った牡蠣は、ブタのよう、といって好みません。牡蠣の美味しさは腸ではなく外套膜と貝柱にあります。このように食べます」
と唇をとんがらせてすすりこんだ。
「オイシイ。レモンはいりません。海水の味が最高。そして黒パンに無塩バターを塗って食べます
半ダースの牡蠣にはハーフボトルの白ワインが必要です。牡蠣、黒パン、白ワイン、これを繰り返すのがフランス流ですそして、ここボルドーでは、熱々のソーセージを一緒に戴きます」
と頬張った。
O君は、「そうか、地撒き式養殖では、海水に浸かっている半日しか餌を食べられないから太れないんだ。でも痩せている方が日持ちする……」
カロリーヌと学者の卵のO君は会話が理論的なところが似かよっている。
「でも……」カトリーヌに聞こえないようにO君はささやいた。「牡蠣フライにするなら太ってないとダメだよね」』

■生牡蠣には、白ワイン・シャブリと言われています
シャブリとは、フランスのブルゴーニュ地方、シャブリ地区で造られる白ワインの銘柄です。世界的に人気が高いことから産出されるエリアは広いですが、造られるのは白ワインのみ!そのすべてが辛口です。
シャブリ地区は、ヨンヌ県の都市オーセールの近郊に広がる産地。ブルゴーニュ地方で最も北に位置する。ここでは、冷涼な気候と牡蠣の化石を含む特徴的な土壌から、爽やかでミネラル豊かなシャルドネのワインが生まれ、不滅の名声を勝ち得ている。


■ワインリスト
1)、シャブリ・グラン・クリュ

①ドメーヌ・ウイリアム・フェーブル(Domaine William Fevre):
ウィリアム・フェーブルは、ブルゴーニュ地方シャブリ地区において、シャルドネの魅力を最大限に引き出すワインを生み出す著名なワイナリーです。1959年に創業されたウィリアム・フェーブルは、長い歴史の中でその技術と品質の高さで評価を受け続けています。

②ラ・シャブリジェンヌ シャブリ グラン・クリュ ヴォーデジール(La chablisienne Chablis Grand Cru Vaudsir):
シャブリにおいて、畑の個性を表現するために重要な要素が「その畑がどの方角を向いているか」です。ラ・シャブリジェンヌが所有している畑の大部分は南東、南、もしくは南西向きと好条件のもの。そしてそれぞれの畑を、テロワールを熟知した組合員が担当することで、素晴らしいブドウを収穫することができるのです。
2)シャブリ・プルミエ・クリュ

③シャブリ プルミエ・クリュ フルショーム 2016 ドメーヌ・ロン・デパキ 白 (Chablis 1er Cru /Fourchaume / Domaine Jong-Depaquit):
1791年創業、シャブリきっての名門ワイナリー「ドメーヌ・ロン・デパキ」。シャブリ地区のグラン・クリュのうち、約1割に当たる10haもの畑を所有し、特に「ヴォ―デジール」と「プルーズ」にまたがる銘醸畑「ムートンヌ」は、ロン・デパキの商標として特別に使用が認められています。

④リケール シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン ヴィエイユ・ヴィーニュ(Rijckaert Chablis 1er Cru Vaillons Vieilles Vignes):
1998年に独立し「ドメーヌ・リケール」として自らの名を冠したワインをリリースし始めると、その驚くべき品質によりワイナリーの設立から幾年も立たないうちにプロや批評家たちから高く評価されます。ロバート・パーカーも『傑出したワインを造る生産者』と評価。確かな人気と実力を兼ね備えた生産者なのです。
3)、シャブリ(Chablis)(白)

⑤ドメーヌ・ヴェノン・エ・フィス シャブリ(VENON & FILS CHABLIS):
何千本ものシャブリを味わい尽くしたシャブリマニアが造った、一度は飲むべきこだわりの極上シャブリ。 シャブリらしい火打石の香り、石灰ミネラル感たっぷり。苦味と旨味もしっかりと感じられるリッチなワインです。魚介料理との相性は抜群。普段ワインを飲みなれている方には次のステップとしてぜひ飲んでいただきたい一本です。
イオン カルディに在庫があります。

⑥「ラブレ・ゴンタール シャブリ」という名称は、ワインのラベルに「Chablis」と記載されていることを示しており、最も標準的な「シャブリ」ランクのワインであることを意味します。

⑦シャブリ ヴィエイユ・ヴィーニュ ヴィーニュ 2021 クロズリーデ アリズリーデ アリズィエ(Chablis Vielles Vignes Closerie Des Alissiers:
2008年より、各コンクールで連続して金賞を獲得する「シャブリヴィエーユ・ヴィーニュ」。ややまったりとした舌触りの中に、古樹ならではのミネラルやコクが存在する。
豊富なミネラル感と熟した果実の風味がバランス良く、素晴らしいコストパフォーマンスのシャブリ!

⑧オリヴィエ ルフレーヴ レ ドゥ リヴ 2019(Olivier Leflaive Chablis Les Deux Rivers):
ピュリニー・モンラッシェの人気生産者がつくる極上シャブリが「シャブリ レ・ドゥ・リヴ」。
洋梨や白桃、ハニーサックルを思わせる優しく心地よいアロマが印象的。
シャルドネの個性を知り尽くした生産者ゆえの、緻密な味わいが堪能できます。
4)、プティ・シャブリ(Petit Chablis)(白)

⑨ドメーヌ・ヴォコレ・エ・フィス(Domaine Vocoret & Fils):
伝統的な手法で造られるプティ・シャブリは、フレッシュでミネラリーな味わいで人気があります。

⑩ドメーヌ・ジャン・コレ・エ・フィス(Domaine Jean Collet & Fils):
プルミエ・クリュ同様、このクラスでも高品質なワインを提供しており、指定価格帯で流通しています。

⑪ドメーヌ・デ・マロニエール(Domaine des Maronniers):手頃な価格で楽しめるプティ・シャブリとして、ワインショップなどで見かけられます。
■オイスターバー・レストラン
①グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン 品川店
東京都港区港南2-18-1 アトレ品川4F TEL:03-6717-0932
「グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン」は、ニューヨーク・マンハッタンの玄関口「グランド・セントラル・ステーション」の駅構内に1913年に創業。約100年の歴史と世界的な知名度を誇るアメリカ随一のランドマークレストランとして、地元ニューヨーカーをはじめ世界各国から観光客が詰めかけ、連日活気に溢れています。
「古き良きアメリカの雰囲気」を感じさせる本店さながらのインテリア。本店のアーチ型天井をそのままに再現したダイニング、カウンターで手軽にフレッシュオイスターを楽しめるロウ・バー、仕事帰りの一杯や食後酒をじっくりと味わうのに最適なカウンターバーのほか、春から晩秋にかけては、開放的な雰囲気の中、お食事をお楽しみいただけるテラス席がございます。



②オイスター&ビストロ 有楽町ワーフ
有楽町の高架下にあるオイスターバー&フレンチビストロです。全国から厳選された新鮮な生牡蠣や、王道フレンチをモダンにアレンジしたメニューを提供しています。
Emit Fishbar: GINZA SIXの6階にある、牡蠣とシーフード料理が楽しめるカジュアルなフレンチレストランです。特許を取得した海洋深層水で浄化された、安心安全な生牡蠣を味わうことができます。
https://www.opefac.com/restaurant/yurakucho-wharf/
③貝料理と白ワイン「シャブリ」専門店 貝×シャブリ jiji (ジージ)
北海道札幌市中央区南四条西4-13-1
http://regista2010.co.jp/shop-jiji.phpら72m
フランスのブルゴーニュを代表する白ワイン「シャブリ」専門店。シャブリの味わいと貝類の相性が抜群!厚岸産牡蠣の他にも厚岸産磯ツブや苫小牧産北寄貝、噴火湾産ホタテなど北海道産中心としたいろいろな貝をご用意しております!。飲み物もシャブリだけではなく、日本酒やウイスキーも多種取り揃えております。

参照した文献
牡蠣とトランク 畠山 重篤著 パトリック・ルイ・ヴィトン 画 ワック(株)発行
日本の遺跡13 常呂遺跡群 先史オホーツク沿岸の大遺跡群 武田修 著 同成社 発行
常呂漁業協同組合 HP
グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン 品川店 HP
オイスター&ビストロ 有楽町ワーフ HP
貝料理と白ワイン「シャブリ」専門店 貝×シャブリ jiji (ジージ) HP
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常呂遺跡とサロマの牡蠣
発行日 平成7年10月25日
著者 逢坂信治
発行所 アイティデザイン研究所
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R07/12/01
アイティデザイン研究所
石北沿線ふるさとネットワーク 石北本線地活用部会 副部会長
逢坂信治記
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